海の森づくりに関連した書籍を紹介しています。

食文化の諸相
-海藻・大衆魚・行事食の食文化とその背景-

今田節子(ノートダム清心女子大学名誉教授)著

2018年6月25日(株)雄山閣 発行、
(税別本体15,000円)(アマゾンでも購入可能)
SBNコード : 9784639025856

詳細:著者は、岡山にあるノートルダム清心女子大学の食品栄養学研究室で、瀬戸内海を中心として、全国の海藻・大衆魚行事食を、ほぼ40年間、学生ともに調査を行い、海藻に関して、ほぼ全文の3分の1を割いて記述している。


 

特に朝廷への献上品としての海藻の種類や郷土食とて食べ継がれてきた海藻類を詳しく記載している。 特に瀬戸内海の食文化を詳しく記述されている。多分、現在入手できる海藻食文化史として、また大衆魚、行事食という視点は、この本以外には見渡らない。多くの者がかかわっで作成された資料と違い、一人、生涯をかけて、資料を集めまとめた努力は感嘆させられる。通読する本ではなく、座右に置き、必要な個所を読むという著書であろう。
 

 LinkIcon株式会社 雄山閣の当著紹介サイト

 

図鑑:相模湾の海藻.

松浦正郎(箱根植物会)著

夢工房、2014、214頁 (定価2,500円)

まだ在庫があるということで、学会誌に紹介しようと思い立った。この本は、私のふるさと、相模湾の海藻を親子2代で採集した標本から作製された貴重が図鑑と海藻植生が書かれている。著者の父の松浦茂寿氏は、私の母校、小田原高校の生物学の教師で、彼の定年・間際の時に教わった。彼は高校教師らしくなく、淡々と授業を行ったが、聞いていて楽しくなる授業であった。当時は箱根の陸上植物の大家と聞かされていた。この本の著者には全く面識がないが、この本が刊行された年に、故吉崎誠氏から、「相模湾の海藻」の本が刊行されたと連絡を受けた。相模湾は、岡村金太郎が、最も採集地として通った江の島、東京大学三崎臨海実験所のある三浦半島、筑波大学下田実験所がある伊豆半島を含み、日本の海藻学の聖地とも言える。多くの新種が相模湾から記載されている。

最近は、生(なま)の海藻葉体による海藻図鑑が多く出版されているが、きれいな押す葉にされた海藻は、種の同定に多いに役立つ。また、精魂がこもった標本写真は美しい。 
葉面上の模様、分枝の仕方も明瞭に分かる。また、種名の解説は3~5行と短いが、同定のポイントを見事に記述している。この本に記載されている種は383種である。伊豆半島の静岡県側は、亜熱帯性の海藻が生育しており、採集記録では400種を超えているが、典型的は温帯性の海藻の繁茂域である相模湾では、採集しつくした種数であろう。多くは海藻研究者が知っている種であり、挿入されている海藻に親しみが湧いてくる。また、この本には、採取地(産地)が記載されており、温暖化が進む現在、今は採取できないと思われる種もある。地方海藻誌であるが、海藻研究者には、手元に置いていた方が良い本であるので紹介した。
購入は、ママゾンや楽天で、購入できるが、夢工房(Email :yumekoubou-t@nifity.com)に、直接注文もできる。
 (紹介・大野 正
  高知大学名誉教授 〒781-1164 高知県土佐市宇佐町井尻226-2
  Tel:088-856-3203 FAX:088-856-0424 email:moseaweed@yahoo.co.jp)