海の森づくりニュース

発行日 2003年1月10日
編集  海の森づくり推進協会
     埼玉県熊谷市月見町1−104
п@   048-525-6103
メール urasimataro@nifty.com

No12

明けましておめでとうございます。

昨年12月に内閣府より特定非営利活動法人として認定を受け、本格的な活動に向け
準備を進めております。なかでも、多くの方々に支持される海の森づくり推進協会の
事業の方向とその具体化が望まれております。
平成15年度農林水産概算予算によりますと、消費社の視点を重視した農林水産予算の改革をうたい、
消費者参加型の農林水産業の展開の中で、NPO法人による事業の実施に予算がつきました。
海の森づくり等推進支援事業として、藻場・干潟等におけるNPO法人等の行う自然の保全・再生活動
を支援・・・・・・・・0.4億円
また、水産基盤整備事業概算予算のなかでは、自然と共生する豊かな沿岸域環境の創造として
1)豊かな海の森づくり事業
 水産動植物の育成・生息の場である藻場等について、海藻の移植等新たな手法の活用により
 自然再生を踏まえた重点整備を行うと共に、CO2の吸収機能を有する藻場の効果についモニタ
 リングを実施するほか、藻場の造成に資する新技術の開発を推進。
2)漁村における循環型社会の形成
 漁村における自然エネルギーの活用や集落排水の処理により生じる汚泥等の有効活用のため
 の施設等を整備するとともに、ホタテ、カキ殻等の水産系副産物の漁場造成材料等としての効果
の検証、再利用を推進
など等、海の森づくり推進協会の活動を後押しする内容が多くなってきました。
今回は北海道の松井様より情報を頂きました。

ホタテ貝殻の大量処理に道か

日本 - 12月06日 2002年
北海道では、ホタテの貝殻が年間20万トン排出され、大きな問題となっている。そんな中、北海道立工業試験場と(独)北海道開発土木研究所は協同で、ホタテ貝殻を道路舗装材として利用した実証実験を先月から始めている。

アスファルトには、通常石灰石の粉末や砂利を加えて固定するのだが、ホタテの貝殻も成分が石灰石と同じであるため代用が出来るという。ホタテ貝殻の粉末は、炭酸カルシウムを成分としていて、形状は0・1〜0.01mmの棒状となっている。室内実験を行うと、アスファルトが滑りにくくなったほか、ワダチができにくくなるなどの利点があったという。

施工実験は、先月7日に生田原町の国道242号線でまず行われ、滑りやすさや磨耗度などを今後3年間にわたって調査していくという。今月も、常呂町の農道舗装工事でホタテ貝殻が使われる予定になっている。

費用は、石灰石の粉末を1トン作るのに6〜7千円であるのに対し、ホタテの貝殻だと1トンあたり約1万円と割高である。ただ、大量生産を行えるようになればコストは安くなることから、道工業試験場は実用化に期待を寄せている。

北海道は、国内のホタテの8割を生産しているが、貝殻の処理方法が問題となっている。肥料やカルシウム製剤などへの利用が考えられているが、排出量の多さには追いついていない。

 

平成13年9月6日付けの読売新聞に次のような記事が載っています。
 シックハウス対応のホタテを原料とした新素材「チャフウォール」として好評のチャフローズコーポレーションは、
八戸工業大学(小山信次教授)との産学協同研究で、ホタテ貝殻を特殊加工することにより二酸化炭素を吸着・
分解する機能をもつことを発見し実証した。現在、国土交通省、環境省らに二酸化炭素を削減させる有効な手段
として申請。小山教授は「二酸化炭素削減の観点から、特に都市部のアスファルト・路面表示材・道路法面材の
中に混入させ利用することが二酸化炭素削減に、より効果的」と提唱している。
海の森づくり推進協会として、海の森づくりを勧めるにあたって、生態系を重視したコンブ等海藻の森づくりと
共に、アワビやホタテの複合養殖を提唱しております。コンブ等海藻は成長が早く、二酸化炭素の吸収力は
熱帯雨林よりも早いと言ってきたわけですが、複合養殖するアワビやホタテの二酸化炭素固定力にも注目
し、さらにその利活用により二酸化炭素の吸着・分解能力にも期待が持てる訳です。
いよいよ、本格的な海の森づくり事業の進展が望まれます。