海の森づくり推進協会ニュース

No3 2002年9月11日


今回は国会(農林水産委員会)での「海の森づくり」についての質疑です!

境先生の名前がでております!!

154回国会 農林水産委員会平成十四年六月六日(木曜日)  午前九時三十分開議

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000915420020606015.htm 

川内委員 ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
 さて、今回審議されております四法案のうちの漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案というこの法律でありますけれども、この法律案の改正案の趣旨の一つが、我が国の二百海里水域内において資源の悪化が進んでいる現状を踏まえ、水産資源回復のための取り組みに対する支援策を強化することであるということが、この法律案の趣旨の一つとして書いてあるわけであります。

 では、その資源回復のためにどのような措置をとることが対策になるのかということについては、減船してとる量を減らせば水産資源が回復するというふうに記載をされているわけでありますけれども、私にはどうしても、船を減らしてとる量を減らすことが資源の回復につながるというのは、非常にネガティブというか消極的だなというふうに思えるわけであります。
 なぜかならば、後で質問させていただきますけれども、水産物の自給率も上げていきましょう、すなわち、とる量をこれからもっともっとふやしていきましょうというときに、一方では、とる量を減らして資源を回復させましょう、二律背反というか相矛盾したことをおっしゃっていらっしゃるような気がして、もっと抜本的な対策というものを講じるべきではないだろうか。海の中にいるお魚が自然にふえるような、もっと抜本的な対策をとる必要があるのではないかというふうに思うんです。

 船を減らすことによって水産資源の回復を図るというその方法について、水産庁さんとしては本当に胸を張ってそれを、これが資源回復の方法です、任せてくださいというふうに思っていらっしゃるのかということをまずお尋ねさせていただきたいというふうに思います。


木下政府参考人 
  我が国の周辺水域の水産資源の状況でございますけれども、本年度の水産白書でも明らかにしているとおり、総じて低位または減少傾向にあるというふうに認識をいたしております。
 このような傾向にあるのは、一つは、資源の回復力を超えた漁獲が行われているという理由が一つあろうかと思います。
  もう一つは、いろいろな要因によりまして水域の環境が悪化をしているということも大きく影響しているというふうに考えているところでございます。


 したがいまして、私どもが提案をいたしております資源回復計画では、まず、減船なり休漁等、現在の漁獲努力量を削減していこうというのが一つの柱になってございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、漁獲努力量が多い、あるいは水域環境が悪化をしているというのが現在の資源状況の大きな要因でございますから、もう一つの柱といたしまして、種苗放流あるいは藻場造成等、環境に配慮しながら水産生物を積極的にふやしていく、このような努力もやはり必要だというふうに思っておりまして、これは両々相まって資源の回復を図っていきたいというふうに考えております。

 


川内委員 
  今、水産庁の長官から、積極的にお魚がふえるような対策もとっていきたいというお話があったわけですけれども、私が存じ上げている境一郎先生という水産学博士が提案をし、実際に北海道や私の地元の鹿児島あるいは沖縄などでも成果を上げているというふうに聞いておりますけれども、資源回復について昆布海中林計画というのがあります。


 海の中に昆布の森をずっとつくっていく、そうすることによって水産資源の目覚ましい回復を見ることができるというふうに境一郎先生はおっしゃっていらっしゃるわけでありまして、別にこの境先生と私は何の利害関係もないからこそこうして申し上げるわけですけれども。
 これまでの水産資源のふやし方といえば、コンクリートブロックを投げ込むというような、環境改善方式といったものがとられていたそうでありますけれども、このやり方では環境にも悪影響を及ぼすしコストもかかるということでありまして、昆布の海中林の養殖方式ですと、コンクリートブロックを投げ込むよりずっと安上がりだというふうに、境一郎先生の書かれたものを拝見すると書いてあるわけでございます。


 まずお伺いしたいのは、こういう環境改善方式と呼ばれる、コンクリートブロックを海中に配置することによる水産資源の回復を図るための措置については、毎年どのくらいの予算を使っていらっしゃるのかということについて、お尋ねをさせていただきたいと思います。

 


木下政府参考人 

 私ども、十三年度から、従来の漁港事業それから沿整事業を統合いたしまして、まさに地域の実態に即した事業実施をしているということでございますけれども、全体といたしまして二千億を上回るような予算で対応しているところでございます。
 この中に、先ほど申し上げましたように、漁港の予算それから魚礁の予算、それからもう一つは藻場あるいは干潟をつくっていく予算、それぞれ地域の実態に即した予算措置を実施しているところでございます。


川内委員

 細かい内訳はちょっとすぐには出せないということをきのうもお聞きしましたので、大体二千億という毎年の予算の中で、漁港の整備やら魚礁やら藻場の造成というものをされていらっしゃるということであります。


 日本の水産資源の回復というものを考えたときに、その二千億というものをどのように有効に活用していくかということは非常に重要なテーマであろうというふうに思うわけでありますけれども、中国は、非常に昆布海中林の養殖というものについて積極的にやっていらっしゃって、中国の漁獲量というのは、日本が原産の真昆布を中国の沿岸部に大規模に養殖することによって、八八年から九七年まで九年間で三・六倍にふえたというふうに聞いておりますし、この中国の漁獲量というのは日本の七倍ぐらいあるんだそうですけれども、そのくらい昆布の海中林というのは威力があるんだそうでございます。


 私は、ぜひ、水産資源回復のために、昆布海中林というものを日本ももうちょっと積極的に研究をすべきではないかと。私が今、中国の漁獲量が目覚ましい勢いでふえたというのは、これは境先生の書いた文章の中にあることですから、本当かどうかはわかりませんよ、検証したわけじゃないですからね、私も。


 だからこそ、私など魚とりについては素人ですし、その素人の私が考えるには、水産庁さんが今まで一生懸命取り組まれてきたことに関しても敬意を表しておりますし、もちろんその努力が、先ほど水産庁の長官がおっしゃったように、漁獲高が物すごくふえちゃったし、そもそも日本の近海水域での環境の変化ということでなかなか資源回復が図れないというのであれば、こういう昆布海中林などのことをもっともっと積極的に研究をされて、それが本当に有効であるならば、国策として、日本の沿岸水域に全部そういうものを造成、養殖していくことによって水産資源の回復が目覚ましい勢いで図れるのではないかというふうに思うわけであります。


 ぜひここで武部大臣に、昆布海中林の養殖計画を、やるやらないではなくて、今そういうことを御答弁はいただけないと思うんです。これは一つだと思うんですけれども、こういうことを含めて積極的に研究をされて、いろいろな方法について研究をして、成果のあるものについては取り組んでいくという御決意を聞かせていただきたいと思います。


武部国務大臣

 藻場は、水産生物の産卵でありますとか、幼稚魚の生育等の資源生産の場としてのみならず、海水中の窒素、燐等の栄養塩の取り込みによる水質浄化機能というものを有するわけでありまして、良好な沿岸域の環境を維持する上で極めて重要な役割を有している、このように承知しております。
 現在、水産基盤整備事業におきましては、漁場環境の保全、創造と基礎生産力の向上を目的といたしまして、水産動植物をはぐくむ昆布海中林などの藻場の造成等による豊かな海の森づくりということを推進しているところでございます。


 本年三月に策定しました漁港漁場整備法に基づきます新たな漁港漁場整備長期計画におきましては、平成十四年度を初年度といたします五年間で、おおむね五千ヘクタールの藻場、干潟に相当する水産動植物の育成環境を新たに保全、創造することにしているわけでございまして、今後とも、水産資源の増殖、豊かな沿岸域の環境の創造の観点から、藻場の造成を積極的に進めてまいりたい、このように思います。


 私は、海は、この海中林の問題や、もっと思い切り耕すと相当資源は変わってくる、ふえてくる、こう思っております。
 なぜオホーツク海でいい昆布がとれるかというのは、流氷によって全部いその雑草を駆除してくれるんですね。それが昆布の生息に大きくプラスする。だから、温暖化によって流氷が接岸しなくなってくるということから、雑草がふえて大変だということで、八尺を回したり、あるいはダイナマイトをかけたりして、そして岩礁を削ったりしている。
 したがいまして、今委員御指摘のとおり、もう少し、今まではとれ過ぎたら値段が下がるとか、そういうような感覚があったと思うんですが、そうじゃなくて、海水、海中の浄化だとか、自然生態系というものを、生物多様性の観点からしっかり研究して対応していくということが非常に大事じゃないのかな、私はこう思いまして、そういう努力をしてまいりたい、このように思います。


川内委員

 今、大臣がおっしゃったように、昆布の海中林というのは、地球の温暖化対策にも非常に効果があるという研究もされているようでありまして、私、大臣が前半、水産庁が書かれたものをお読みになりましたけれども、前半よりも後半の、大臣が御自分の御地元のことを語られた部分に、前半は全然共感できませんでしたけれども、後半は共感をいたします。


 ぜひ水産庁も、長官、私が素人なりに、昆布海中林に、もっと積極的に研究すべきじゃないですかということを、せっかくこの委員会で提案をさせていただいているわけですから、何か大臣にあんなつまらない答弁を書いて読ませるんじゃなくて、もうちょっとしっかり頑張りますみたいなことを言わないと、言わないとというかやらないと、それは皆さんは専門家だしプロだから、そんなことは素人に言われたくはないよ、何言っているんだというお気持ちもわかるけれども、しかし、素人だからこそ言えるということもあるわけじゃないですか。


 それをやはりぜひ御理解いただいて、昆布の養殖計画、海中林計画については前向きに対応方をしていただきたい。そして、その研究成果をまた教えていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 時間もなくなりますので次に参りますが、あと、漁業の経営の効率化、合理化という観点からは、漁業組合、漁業協同組合の再編統合が現状でなかなか進んでいない状況にあるというふうに私は認識しておりますけれども、これについて水産庁の見解をお聞かせいただきたいと思います。以下次号につづきます!

 メールを頂きました!(popai様)

 ホームページ興味深く拝見しております

私の仕事は沿岸漁業者を相手の漁船、エンジン、漁労機械当の販売、修理をしていますが数年前から、中国東北部に興味をもち、最近月一程度、遼東半島近辺を俳諧しています、中国の昆布養殖は山東省から福建省、遼寧省、と随分見てきましたが、昆布養殖の生産高は世界一ではないでしょうか。伴い、渤海湾に面した、地区等でアワビ養殖が年200トン〜300トン規模の海水陸上養殖施設が有ります。日本の沿岸漁民には今日だめでも沖にでて明日豊漁すればいい、自分だけ金をとればいい、その日暮らしの水商売的発想を改め、長期的かつ計画生産型漁業に転換することがいちばん大事で、産業として将来に展望が開ける発想を必要と思います環境改善、海産資源開発により安全な食料を供給することが、漁業に求められていると思います最近、中国で養殖したアワビを私も60cm水槽で飼育しています、いろんな意味でがんばってください。

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