海の森づくり推進協会ニュースNo6

2002年10月18日

                           海の森づくり推進協会 事務局

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第3回農林水産環境展に海の森づくり推進協会として出展します!!

今年もクリエイティブ・ビジネス社出展ブースに海の森づくり推進協会としてスペースを頂くことができました。大宣伝できる貴重な機会です。是非多くの方のご参加で成功させましょう。

開催期間  2002年11月26日(火)〜29日(金)

会場  幕張メッセ国際会議場 ホール7 739ブース

主催  農林水産環境展実行委員会  

テーマ  持続可能な農林水産業の発展を目指して

期間中シンポジウムも毎日開催されますが、27日の「農漁村地域における水環境保全の推進」−森、川、海のつながりの中で−と題したシンポジウムでは、海の森づくり推進協会理事の高橋 正征先生がパネリストとして参加します。会員は必見です。

招待状を若干お預かりしています。連絡頂ければ郵送いたします。また、当日携帯に連絡頂いても入り口でお渡しすることも可能と思います。是非是非ご参加ください。

第3回 農林水産環境シンポジウム プログラム

26日 13時〜17時   テーマ 「有機資源循環利用グリーンフォーラム」
 
27日 10時〜17時       「平成14年度持続性の高い農業生産方式に関する
                   技術研修会」

  27日 13時30分〜16時30分 「農漁村地域における水環境保全の推進」

基調講演  篠原 孝さん「循環社会の形成 特に農漁村地域の多面的機能への期待」

パネリスト高橋 正征さん「食料と環境  海から発信する水環境の保全」

     乾 政秀さん 「漁業、漁村の持つ多面的機能と農畜水林の連携」

     中野 広さん 「水域環境保全への取り組みと期待される水産研究」

     愛澤 政仁さん「貝殻(漁業系廃棄物)を活用した畜産排水浄化の試みと                          成果」

会場     国際会議場302会議室

28日 10時〜16時     「平成14年度農業集落排水技術研究発表会」

28日 13時〜17時     「日本におけるバイオガスシステムの中長期展望」
 29日 10時〜16時     「バイオマス・ニッポン総合戦略によるバイオマス利                     用促進に向けて」
 29日 13時〜17時     「地域の自然と生物多様性の回復」        

27日のシンポジウム以外は参加費及び事前登録が必要です。


 

協会ニュースbTのつづきコンブの陸上農業利用が温暖化対策になる!

前回の文章を補足しますと、まずコンブを使って『土ごと発酵』が出来るよう化学農薬・化学肥料で『劣化した農地』を改善します。

@        はじめにコンブを乾燥し、適当に切断したものを畑の畝に蒔いていく

昆布のアルギン酸がナトリウムと結合して塩類集積を改善し、コンブの多種ミネラルのうち、他資材と比べコンブに多くあるマグネシウムが、重要な働きをしていると考えられる。なお土壌改良資材としては、コンブの他に地力回復資材としてABの利用が知られています。

A        微生物資材を添付する(耐塩、好塩菌)

B        木炭粉を添付する   

地力がついたら次に『土ごと発酵』させ浅耗、不耗起栽培もでき、低農薬、低コスト農業が

実現します。

C コンブを減らす、あるいは使わずに米ぬかを蒔いていく    表層材料堆積を行う

D 農業用残渣や草を細かく切断し、その上に米ぬかを蒔いていく     

E 未完熟堆肥を敷き、その上に米ヌカをまいていく           

土≠ヘ薄く被せる程度に蒔く様に留めます。こうしますと『ボカシ肥』の応用と理解する人もいるでしょう。しかし従来の『ボカシ肥』とは以下の点で根本的に違いがあります。

(1)@〜Eの上に水溶化した岩(山)や海水・塩という天然ミネラル水を散布する

(ミネラルを重要する)ミネラル農法です。

 (2)秋口から春先まで一冬かけてゆっくり土壌菌で低温発酵させる森林方式です。

(2)の秋口から一冬というのは、森林の落葉が堆積され、春になると落葉の下面土壌がふかふかになっている自然の営みを取り込んだものです。また、昔から日本中で農作物を収穫後、秋口からの“漬物”や“お酒”や“納豆”等の食品発酵に使う微生物(麹菌・納豆菌)の働きを利用し、半年かけてゆっくり発酵させます。これは季節的な温度変化により、自然界で働く微生物層も変ることが分り、冬の麹菌・納豆菌による低温発酵で、アンモニアを発生させない発酵法となっています。

 (3)山(落ち葉や木の実)、里(農業用残渣や米ぬか等)、海(海藻や魚やキトサン)と材料を組み合わせ使用する。ことに少しでもよいので

“海”のものを入れ有機物全体をパワーアップさせる

という、(1)〜(3)が『土ごと発酵』の基本的な考え方です。微生物が分泌するアミノ酸、核酸、アルギン酸、ホルモン、ビタミンを根に吸収させようという農法で、“アンモニア”を作る工程をはぶいてアミノ酸を作る低温発酵法です。

私は、かねてから『微生物発酵で有機物を加熱分解したとき、アンモニアガスやメタンガス(温暖化ガス)が発生するが、どう理解すればよいものなのか』と、疑問に思っていたのですが、この『土ごと発酵』の場合はアンモニアを作らず、かつメタンを作らない(協会ニュースNo.5のエタン発酵)のであれば、まさに温暖化対策として有力なのではないかと注目しているところです。

尚、協会ニュース5でコンブ利用についてお知らせしたところ、早速会員から神奈川や北海道の使用例について、またロシアの事例が情報として寄せられています。私達は『コンブ』が土壌改良に効果があり、海のコンブ等を使う土ごと発酵(森林方式)が温暖化効果ガスの削減にもなる農業であり「海≠フものを陸≠ナ使いましょう」とPRしなければならないでしょう

尚、この“土の中”根圏での微生物の働きは別紙資料を参照してください。詳細は農文協発行の『発酵肥料の作り方・使い方』薄上秀男著を是非ご一読ください。

                                     斉藤 浩